イベントフォトレポート

ソニックデザイン リスニングキャンプ4 イベントフォトレポート

「垣根を設けず敷居の高さを感じさせることもない。みんなでカーオーディオを楽しもう」という趣旨が、色濃く反映されたイベントとなった。「ソニックデザイン リスニングキャンプ4」と銘打った4回目のリスニングキャンプが大盛況で閉幕した、その翌週にあたる10月19日(日)、初の東日本進出となる「ソニックデザイン リスニングキャンプ ミニ」が開催された。会場は福島県いわき市常磐藤原町にあるスパリゾートハワイアンズの第3駐車場 特設会場。「ミニ」という名称にある通り、当初は「参加想定台数などの規模を若干縮小させつつ既存のリスニングキャンプに準じる内容を」という計画だったが、いざ蓋を開けてみればビックリ。これまでの参加台数に匹敵する、あるいはそれを超えるような参加者が集ってくれたのだった。北関東、東北のショップやユーザーはもちろん、関西方面からはるばる駆けつけてくれた人もいて、会場は全国各地のナンバーを掲げた車両で埋め尽くされた。

多種多様なドライブを満喫できた

常磐自動車道・いわき湯本ICを降りてからわずか数分と交通アクセスの良いスパリゾートハワイアンズは、常磐自動車道を使えば東京方面より2時間弱と、関東エリアからのアクセスが容易だ。想像するよりもずっと近いと感じられた。常磐道は北関東道や磐越道、圏央道などと接続し、もちろん都内に入ればそのまま外環や首都高速へつながることもあって、会場を往復する道すがら多種多様なルートや観光地を選べたのは嬉しい。紅葉シーズン真っ盛りとあって、イベントの往復をドライブとして楽しめる魅力を持っている。また会場のある場所は、北海道、岩手県に次ぐ全国第3位の面積を誇る福島県なだけに、観光名所や名産品が多い。山の幸から海の幸までたくさんのご当地グルメを楽しんだり、またはお土産を探すなど、人それぞれたくさんの楽しみ方ができるエリアだった。例えば、いわき湯本ICに近い中郷サービスエリアに立ち寄るだけでも、日本三大童謡詩人「野口雨情」の歴史を紐解くことができたりもする。手軽に日本古来の文化を味わえるエリアである。

リスニングキャンプにふさわしい静かな空間

スパリゾートハワイアンズの特設会場は、広大な敷地を誇る施設の中にある、まわりを深い木々に囲まれた大きな駐車場だった。一般路からも離れているがゆえに周囲の喧噪が届かない静かな空間で、そこにいるだけで心地よいと思える。この空間を活かし、全国各地から集ってくれたソニックデザイン各認定販売店のデモカーや、ユーザーの愛車がゆとりを持って並べられた。過去にも何度か同様のカーオーディオ系イベントが催された場だというのも素直に頷ける。お客さんと販売店、メーカー(ソニックデザイン)の相互で試聴や情報交換などのコミュニケーションを図れる場として絶好のロケーションだ。また、ソニックデザイン製品のひとつの大きな特徴は、いかに大音量であっても車外への音漏れがとても少ないこと。静かな場所に身を置くと、改めてその魅力を体感できる。
今回もまた「ソニックアンバサダーによる愛車試聴会」や、カーオーディオ評論家の黛 健司氏による「サウンドクリニック」が実施された。前者はソニックデザイン製品を組み込んだ愛車と共にユーザー自身が音の使節(アンバサダー)となり、試聴プレゼンテーションをしていただくという試み。前週に開催されたリスニングキャンプ4の参加者も混じりつつ、新規のアンバサダーが何人もいて、持ち込まれたクルマのジャンルも多種多様。お馴染みメルセデス勢などの欧州車から、トヨタ86、スバルBRZなどの国産スポーツカー勢、ミニバンや軽自動車までいる。それぞれが固有の考え方や世界観を持ってカーオーディオに取り組んでいるようで、イベントの成長をこんなところでも感じることができた。

来年もまたお会いしましょう!

2週連続という過密スケジュールでありながらも、リピーターが多く、それも誰も疲れを見せることなく心からイベントを楽しんでいたのは、イベント自体の魅力はもとより、ソニックデザイン製のオーディオシステムがもたらす快適な“音空間”が、長距離ドライブの疲れを癒してくれるからだろうか。ともあれ今年のリスニングキャンプは今回の福島での開催を持って幕を下ろした。来年もまたリスニングキャンプを始め複数回のイベントが予定されている。その他、新たな取り組みとしてモータースポーツとカーオーディオを融合させた「ソニックデザイン サウンドアスロン」の次回開催にも期待が集まる。そういえば先日のサウンドアスロンで主役を務めたレーシングドライバー荒 聖治選手の姿を、今回、会場でお見かけした。彼自身、今回はプライベートでありながらスパリゾートハワイアンズを含めたイベントのプログラムを、ソニックデザイン製品の一個人ユーザーとして楽しんでいたようだ。SUPER GTなど参戦するレースカテゴリーも終盤を迎え、疲労と緊張感がピークを迎える最中にあって、ほんの瞬間的にでも安らぎを感じることができたのだろうか。もちろん、他の参加者もまた同じ。日常のせわしなさから一時でも開放できる同イベントは、皆それぞれとても貴重な時間だと思う。まだ参加したことがないという方は、ソニックデザインユーザー如何に関わらず、ぜひ一度聴きに訪れてきて欲しいと素直に思う。会場を訪れてくれた皆様は、もちろん来年もまたお会いしましょう!
〈モータージャーナリスト 中三川大地〉

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鮮やかなスカイブルーをまとう真新しいザ・ビートルで颯爽と登場したのは、普段は路線バスの運転手としてご活躍されているMさんだった。混雑時は立ったままとなる乗員に細心の注意を払いつつ、忙しない街道を時間通りきっちりと走らなければならない路線バスは、我々が想像する以上に神経をすり減らすのだそうだ。そのストレスから解放されるのが、毎日の通勤と、そして休日に過ごす愛車との時間だという。とはいえ仕事柄、免許証は生命線だから、刺激的なスポーツカーの速度に酔いしれてストレス開放……なんてもちろん御法度である。そんなMさんのストレス発散方法が、カーオーディオだった。
「以前は軽自動車で量販店のオーディオを組み込んだ程度でした。だけど、一度は専門店がきっちりと調律してくれる音を体感したくなり、オートブラストさんへ相談したんです」と話す。今年になってクルマをザ・ビートルに買い換えたことが手伝って、カーオーディオ構築は一気に進んだ。
ちなみにスピーカーを選ぶ際のポイントとしてMさんは「エンクロージュアに強い興味がありました。これってワンオフ加工して造ってもらったらとてもお金がかかる。だけどソニックデザインはエンクロージュア一体型ユニット(モジュール)でしたので、コストパフォーマンスがとても良いと感じました」と言う。現在の仕様は、ドアにN70Rをインストール、さらにSD-T25トゥイーターを添えて、他社製のアンプやプロセッサーを組み合わせている。ヘッドユニットとしてはiPodやiPadなどのタブレットを利用して気楽に聴いている感じがとってもオシャレだ。ザ・ビートルの世界観とも似合っている。
ひとまず現状で満足してはいるものの、この日、たくさんの参加車両のサウンドを聴いて、バージョンアップへの思いが急加速してきたそうだ。「ザ・ビートルは今までの軽自動車よりも遮音性が高くエンジンも静か。ドアの造りもとても重厚です。だからこそ、よりハイエンドなものも試してみたい」と意気込んでいた。ちなみに先のエンクロージュア一体型ユニットがもたらす、音漏れの少なさにも満足しているという。これもまた路線バスの運転手という職業が生んだプロ意識なのか。音漏れすることで周囲の交通環境に対して些細な迷惑をもかけてはならない、と考えるMさんにとって、ソニックデザインは相性抜群だった。

程よく下げられた車高にSTIのエアロパーツ。エンジンルームを覗くと、スーパーチャージャーユニットを筆頭とする硬派な走り系カスタマイズが施されたこのスバルBRZは、Sさんの通勤快速仕様だ。2年半ほど前、BRZの発売早々に地元エリアのデリバリー1号車を手に入れた。納車されて早速、走り系カスタムと同様に構築が進められていったのは、毎日の移動をより充実なものとするためのオーディオシステムだ。
「僕は毎日通勤で片道1時間ほどクルマに乗ります。それに休日は遠くへ出かけることも多い。1日の中で車内にいる時間が長いのだから、“いい走り、そしていい音”に対して妥協したくはありませんでした」とオーナーのSさんは話す。気になる現在の仕様は、他社製のヘッドユニットやアンプ、レギュレーターを巧みに組み合わせながらも、締めのスピーカーシステムはソニックデザインで統一されている。フロントドア部分にはN70R、トゥイーターにN55R、そしてサブウーファーがTBM-SW77iといった具合だ。この状態へと仕上げるまでには紆余曲折があった。最初は自分なりに研究して選んだ他社製システムを新車オーダーと同時に発注したが、これにはまったく満足できず、納車初日にして交換を決意。現在も二人三脚で協力するユーズダイナーとの相談を経て、今の形に落ち着いたとか。「いい音を得るために努力するのが好きですね。まずは徹底的に調べて聴いてと、自分なりに研究しまくって、それを踏まえてプロの方へ相談します。今の仕様も、けっこう自分の意見を強く出しました」と、研究者気質なお方である。そんな彼は、ずっと皆勤賞であるリスニングキャンプがもっと発展していけばいいという願いを持っている。「ソニックプラスの方とか、あるいは自動車メーカー純正オーディオの方も含めて、もっと幅広い層に来て頂きたいと思っています。気軽にハイエンドモデルを聴かせてもらえて、またざっくばらんに意見交換ができることで、次第に感化されてどんどんカーオーディオにハマりこんでいきますよ」と話すSさんは、毎日の通勤や休日のドライブで既に8万km以上もの距離を刻みながらも新車に近い色つやを保つ愛車を前にそう断言していた。

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[デモカー出展認定販売店]


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Kさん(福島県) TOYOTA 86

純正をSonicPLUSに換装したことで見違えた音楽が聴けることに満足気な、地元福島からトヨタ86で参加頂いたKさん。搭載システムはエンクロージュアを採用したトヨタ86専用設計SonicPLUSハイグレード機のSP-862M。助手席フロア奥にTBM-SW77iサブウーファーをインストール。ソースはサウンドナビとしシステムをコントロール。仕上がって4ヶ月、音源がフロントに収まっているので繋がりの良いサウンドを聴かす。ソプラノは伸び伸びと歌い、オルガンも深く沈み音楽が楽しい感。

Sさん(福島県) TOYOTA VELLFIRE

地元福島から参加頂いたSさんは、愛車のヴェルファイアにダブルクレストを核としたシステムを搭載。システムは純正位置にTHE CRESTの2C-P30L Double Crestをインストールし、デジコア808iでコントロールとシンプルな構成。一体鋳造アルミダイキャスト製エンクロージュアと相俟って雑念の無い音調を実現。ロックやバラードを楽しむSさんはB80Rサブウーファーの導入を計画しているようだが、両エンドまで素直に伸びた音調は、低音との繋がりも良く楽しく音楽が聴ける。

Yさん(福島県) SUBARU LEGACY

J-POPを中心に音楽を楽しんでいるという福島県にお住まいのYさんは、愛車のレガシィにデジコア808iを核としたシステム搭載している。フロント純正位置にD52N、リアドアにUNIT-N70N、ラゲッジにSW-77Nサブウーファーをインストールし4+1を構築。森恵の「やさしさで溢れるように」では、大判振る舞いの低音にぶれることの無いギターとヴォーカルが聴ける。MISIAのDEEPNESSでは砂漠で録音したという空気感やアタック感が再現され、オーケストラの重厚感をも描き切る再現。

Tさん(福島県) BMW 3Series(F30)

ロック系を中心に音楽を楽しんでいるという福島県から参加頂いたTさんの愛車、BMW 3シリーズにはシンプルなシステムが搭載されている。フロントステージはD52Nフルレンジ、運転席シート下にB80Nサブウーファーをインストールしデジコア808iでコントロールし繋がりの良いサウンドを聴かす。組み上がって5ヶ月だと言うが、オルガンは軽快に深く沈み、ヴォーカルは瑞々しく伸び伸びと歌う。オーケストラのトゥッティも難なく熟し、フロアを伝う感の音楽性豊かな重低音が楽しい。

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[ソニックデザイン・リスニングキャンプに参加して]

希に見る雰囲気のよさ!これぞ大人のためのカーオーディオイベント - オーディオ評論家 黛  健司

リスニングキャンプ・ミニでは、懐かしい『患者さん』と再会を果たすことができました。以前、ユーズダイナーが単独で開催したユーザークリニックイベントで音を聴かせていただいたことのあるクルマです。その時、聴かせていただいた音にはたいへん好印象を抱いた記憶があります。

使用しているユニットがカジュアルラインの2ウェイシステムで、組み合わせているのはカロッツェリアのプロセッサー内蔵で専用外部アンプを使用するヘッドユニット。けっして高価なものではありません。しかしそれらの特質を活かして、音響的な条件がいいとはいえない小型輸入車の車内で、見事なサウンドを響かせていました。

「これで充分なのでは」とも思いましたが、心を鬼にして、いくつか気になった『要改善ポイント』を指摘させていただきました。オーナーもその問題点には気づいていて、「やっぱり、直すならそこですね」と、こちらの診断に納得の様子でした。

そのクルマがリスニングキャンプ・ミニの会場に現れたのを見たとき、懐かしさを感じるとともに、どんなサウンドに仕上がったのか、期待に胸が膨らむ想いでした。

再会の挨拶もそこそこに、さっそくクルマに乗り込み、今回のサウンドクリニックで使用している、システムに少しでも問題点があると容赦なくそれを暴き出してしまう『オーディオ装置に厳しいテスト曲』の数々を聴いてみました。

いやぁ~、ちょっとビックリしました。カジュアルラインで、よくぞこれだけの音を出したものだと感心しました。オーナーはスピーカーの取り付けやプロセッサーの調整も自らおこなう行動派ですが、そのサウンドチューニングのセンスの良さに脱帽です。「カジュアルラインのユニットを鳴らしきっていますね。カーオーディオ免許皆伝です!」と伝えたときの笑顔がいいまでも忘れられません。

これがカジュアルラインの限界だろうと納得せざるを得ないサウンドが、そのクルマの中に響いていました。これ以上のサウンドを望むなら、ユニットをプレミアムラインの『F』『R』『N』クラスへとアップグレードするしかないと納得させる素晴らしい音でした。

この音を聴きながら、しみじみ思ったのですが、カーオーディオでよい音を鳴らすためには、オーナーの音楽的センスが重要です。カーオーディオ装置は楽器のようなものです。その楽器を使って、いかによい音でよい音楽を演奏できるかは、オーナーの音楽的センスにかかっています。インストーラーが素晴らしい音に調整してくれても、音楽的センスの悪いオーナーが聴いていると、不思議なもので、システムの音は悪くなっていきます。逆に、センスのよいオーナーは、自分のクルマのサウンドを育てていくものです。

音楽的センスは生まれつきの才能に左右される部分が大きいものの、様々なオーディオ装置の音を聴き、様々な音楽に接することで、確実に磨かれていくのも事実です。だから貴方も、リスニングキャンプでさまざまな音に触れてください。それらの音に触発されて、自分のセンスを磨いてください。リスニングキャンプはよい音を自分のものにするための、研鑽の場でもあるのです。

第4回リスニングキャンプ開催概要

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