イベントフォトレポート

ソニックデザイン リスニングキャンプ4 イベントフォトレポート

直撃が危惧された時季はずれの大型台風も、その襲来を待っていてくれたかのように晴天に恵まれた10月12日(日)、ソニックデザインが主催するユーザー向けのミーティングイベント「ソニックデザイン リスニングキャンプ4」が開催された。今回で4回目を数えるこの催しは、お客さんと販売店、メーカー(ソニックデザイン)の相互を結びつける新しいタイプのミーティングイベント。といっても、堅苦しいものではなく、ゆるやかな運営を持って「垣根を設けず、敷居の高さを感じることもなく、みんなでカーオーディオを楽しもう」という趣旨を持っている。

みんな「いい音と走った」

今回、東西大都市圏のほぼ中間地点にして、程よい距離を伴って道中のドライブを楽しむのが最適な信州エリアに会場が設定された。中央道・諏訪ICから、あるいは上信越道・佐久ICから1時間弱ほど山道を登ると現れる、蓼科山の優美な山容を映す高原の湖にして、八ヶ岳中信高原国定公園に指定される女神湖。その畔にある「女神湖駐車場 特設会場(長野県北佐久郡)」である。紅葉が若干色付いてきた時期とあって、オートバイのツーリング組や、温泉地を満喫する観光客は少なくなかったが、それでも混雑というほどではなく、自然に包まれてドライブする魅力を再確認することができた。また、八ヶ岳連峰が育んだ地元の名産品と、それがふんだんに使われる美味しいお食事を楽しめるのも嬉しい。信州蕎麦や、地元牧場の牛乳を使ったアイスクリームなど、名物に舌鼓を打ったという方もいただろう。もちろん参加者は愛車に組んだソニックデザインの音と共に走られてきたはずで、イベントに来る道すがらから「いい音と走る」というソニックデザインの掲げる想いを、早くも体感したようだった。


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来場者同士の「程よい刺激」がクオリティを底上げ

会場にはソニックデザインや各認定販売店のデモカーがズラリと並び、もちろん全国各地から集まってくれたユーザーの愛車も少なくない。「ソニックデザイン リスニングキャンプ」は、ユーザー同士でも試聴や情報交換などのコミュニケーションがひとつの核となるので、誰もが気軽にそれらデモカーやユーザーカーを試聴できる。
そのコンセプトが最も具現されるのは「ソニックアンバサダーによる愛車試聴会」である。ソニックデザイン製品を組み込んだご自慢の愛車と共にユーザー自身が音の使節(アンバサダー)となり、試聴プレゼンテーションをしていただこうという試みだ。今回もまた午前午後に分かれて5台ずつの計10台、様々なクルマが自らのサウンドをアピールした。二人三脚でシステムを構築する認定販売店の助力も手伝って、構築されたシステムはどれもが参考になるものばかり。1台ごとの詳細は下に詳しいが、ここで全体を俯瞰してみると、国産車・輸入車の垣根はなく、ミニバンから走り系のスポーツカーまであったりして「オーディオを楽しむのにクルマのカテゴリーは関係ない」ということが自然と伝わってきた。あるいは今後、こうした取り組みが深化していけば、純粋なシステムだけでなく「オーディオを楽しむためのクルマ選び」の参考になるのかもしれない。
また、アンバサダーの愛車や認定販売店のデモカー以外であっても、声をかければ気軽に試聴させて頂ける来場者ばかりだった。声をかけてクルマに乗り込み、音を聴かせてもらうという一般的には敷居の高い行為が、ここでは当たり前のように行われている。とかく自己満足に陥りがちなオーディオの世界で、ユーザー同士がコミュニケーションを図れる貴重なイベントだと感じた。
そして今回も、カーオーディオ評論家の黛 健司氏によるサウンドクリニックが実施された。愛車の音と自分の好きな音楽を理解したうえで、よりよい音を得るためのアドバイスや、カーオーディオに関する質問や相談などに直接答えてくれる。貴重なその経験は、今度のカーオーディオライフに役立つことは間違いない。また、サウンドクリニックを受講せずとも、ショップやユーザー同士が情報交換や聴き比べをすることでの「程よい刺激」によって、双方のクオリティが自然と上がっていっているようだ。事実、ソニックアンバサダー参加者やサウンドクリニック受講者は、開催4回目にしてリピーターも多く、イベントごとにクオリティを上げていっている。

より多くの人へカーオーディオの魅力を伝えたい

今回、デモカーには、ソニックデザインの最新機種が搭載された車両が目立っていた。特に車種別専用スピーカーパッケージであるソニックプラス製品の普及が著しい。例えばスバル・レヴォーグのハイグレードモデル「SonicPLUS LEV.ハイグレードモデルSX-L01M」に、トヨタ・アクアの専用リミテッドモデル「SonicPLUS AQUA L」など、さらには発売前となるアウディTT用のソニックプラスも参考出品されていた。イベントを通してソニックプラスの拡大路線を垣間見るに、システムを1から構築するヘビーユーザーが納得できるイベントであると同時に、カーオーディオに興味はあるものの実装には至っていないユーザー予備軍もまた、楽しみながらも勉強になりそうだ。「ソニックデザイン リスニングキャンプ4」を通じて、継続的に開催されてきたリスニングキャンプが、本格派から初心者まで笑顔になれるイベントへと成長を遂げていることを実感した。
〈モータージャーナリスト 中三川大地〉

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納車から間もないピカピカの新車「アウディA3セダン」で駆けつけてくれたUさんご夫婦は、当リスニングキャンプを含めたオーディオ系イベントは今回が初めての参加だったという。きっかけはアウディA3にソニックプラスを組み込んだことだった。
「もともとクルマ好きでカーオーディオも大好き。だけど今まではあまりにも特殊過ぎて部品も乏しいフランス車なんかを乗り継いできたので、オーディオカスタムは諦めていたんです。だけどアウディA3にはデビュー間もないのにソニックプラスが設定されていることを知って、もう即断即決で取り付けてもらいました」とUさんは話すものの、現状での仕様を伺うと、フロントスピーカーはUNIT-N70NにSD-T25トゥイーター、リアスピーカーはTBE-1877Aiと、なかなかの進化を遂げている。どうやらソニックプラスへの交換を通して若き日に没頭したオーディオカスタムへの欲求が再燃し、今では着々とバージョンアップを遂げているようだ。
しかし奥様は「こんなにオーディオにハマるなんて、罠にはまったかも…」と苦笑する。口ではそう言うけれど、実際にはオーディオカスタムに対して柔軟な姿勢を示している。「車内ではいつも何かしらの音楽がかかっています。今では“流行りのJポップが車内ではどんな音で聴けるのかな”って思いながら曲を選んだりもします。ソニックデザインと出会ってから、間違いなく聴く音楽の幅は拡がりましたね」とまんざらでもない様子だった。
UさんはアウディA3を前に「セダンというパッケージだから、低音をより引き立たせるためには、やっぱりサブウーファーが欲しいかもな…」と妄想しながら、次なるバージョンアップの際には、どうやって奥様の賛同を得るかと画策している。最後にUさんは「妻はオーディオに詳しくないのに、今日はひとりでいろんなクルマを聴きに行っていました。正直、びっくり。道中のドライブの魅力も含めて、こういうイベントはとても面白いと思います」とイベントの魅力を話してくれた。車内では夫婦の会話を邪魔せずにクリアな音空間を提供するソニックデザインこそ、夫婦円満の秘訣なのかと思ってしまった。

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[デモカー出展認定販売店]

純正のまま加工せず音離れの良い音から、ハイエンド機器を使った究極のサウンドまで、幅広いユーザーに対応するユーズダイナー四倉店が展示したのは、走行中でも自然に聴ける音を目指したメルセデスのCクラスワゴン。搭載したシステムは、SD-T25とUNIT-N70Fでフロントステージを構築し、リアドア純正位置にエンクロージュアを組みSD-130Fをインストール。ヘッドは純正としAP8.9 bitでコントロール。森麻季のソプラノは刺刺しくも刺さること無く伸びやかでオルガンも深く沈む。

SonicPLUS専門店として誠実なユーザーサポートと、丁寧な作業を提供する新潟県のソニックプラスセンター新潟は、SonicPLUS LEV.のハイグレードモデルを組んだスバル・レヴォーグを展示。搭載システムは、フロント&リアにSX-L01Mをセットし、サブウーファーはSD-N77Mを8本使ったオリジナル。ヘッドは純正OPナビゲーションとしDSO8でコントロール。ラン・ランのプロコフィエフ・ピアノコンチェルトではダイナミックかつエレガントな演奏と、音を外すことなく正確に弾く演奏を再現している。

人と人との繋がりを大切に専門店としてお客に一番近い存在でありたいと、ユーザー目線の提案をする新潟県のステップアップレーシングは、スバル・フォレスターを展示。搭載システムは樹脂製ディフューザーでUNIT-N70Nを純正位置に設置しUNIT-N55Nでフロントを構築。サブウーファーはB80Nを2本。サウンドナビでコントロールされ6基のモノアンプで駆動。躍動感ある音創りを目指したサウンドは、スケールが大きなユンディ・リのピアノ、オーケストラの重心の低さや広がりを再現。

出しゃばらずバランスの取れた低音を聴かせるメルセデスS211を展示したのは、お客様の要望に沿った音創りを心がけているという、新潟県のサウンドファクトリーユー。フロントはUNIT-N70NとUNIT-N55Nで構築し、サブウーファーはラゲッジに組んだエンクロージュアに8本のSP-N70Nをマウント。ヘッドはデジコア808iとし、スピーカーの持つポテンシャルを引き出すセッティングを実現。大振る幅の低いオルガンとのバランスが良く森麻季のヴォーカルは伸び伸びとし鮮明な像を結ぶ。

音楽が大好きな方へ分かりやすい提案を心がけているという埼玉県のオートブラストは、カジュアルに楽しめる大人のサウンドを提案するザ・ビートルを展示。搭載システムは、フロントイメージはUNIT-N70RとSD-T25で構築。サブウーファーは限定モデルのSW-77R。プロセッサーにDSP-PRO、アンプはT600-4。プロセッサーでコントロールした聴きやすいサウンドを目指している。iPhoneでの試聴。フロントとサブウーファーの繋がりが良く、森麻季は伸び伸びと歌いオルガンは深い。

クルマのもつ機能を損なうこと無くビス1本1本にまで気を配り、お客の好みに合わせた音質チューニングなど調和のとれたトータルコーディネイトを実現する、千葉県のサウンドワークスが持ち込んだのはキレのある音のシルビア。搭載システムはフロントにTBE- 1877BiとSD-52R。シート下にTBE-SW77iとリーズナブルだが満足の得られる音を目刺しデジコア808iを導入する。SD-52Rを導入しているだけ有り、森麻季のソプラノは伸び伸びと歌い、深く沈んだオルガンとの繋がりは抜群。

長く聴いていても疲れない音とホームオーディオ的な定位感を目指し、分かりやすくお客様に接し支持を獲得している神奈川県の荒井タイヤ商会。ジャンルにとらわれず聴ける、ホームに負けない定位感のアウディA3を展示。搭載システムは、UNIT-N70NとUNIT-N55Nでフロントを組み、ウーファー純正位置を加工してSD-130Nをインストールしデジコア808でシステムをコントロール。森麻季のソプラノは太くて繊細で伸び伸びと歌う感。オルガンの最低音まで沈んだ重低音との繋がりが良く魅惑的。

お客のニーズに応えスピーカー交換からカスタムインストールまでに対応し、トータルで満足いく音創りを提供する山梨県のクレアーレは、純正の機能を損なわぬ取り付けを施したメルセデスCLAを展示。搭載システムはフロントにフルレンジD52N、サブウーファーはB80Nを1本とシンプルな構成で、デジコア808iを駆使し全帯域を繊細に再生するという。大振る幅の低いオルガンが鳴っても声のイメージがぶれることなく鮮明な像を結び、ソル・ガベッタのチェロは胴の鳴りも感じさせる。

アイテムへの拘りはもちろん、アイテム同士を的確に繋ぐ技術にまで深い拘りを持って取り組み、アーティストの息吹を届けるよう努力していると言う愛知県のベイシスは、メルセデスBクラスを展示。フロントは音質を追求したカスタム箱でD52Rを組み、サブウーファーのTBE-SW77はラゲッジに2本と純正の空間を活かす。デジコア808iで駆動したサウンドはRモデルながら、ガベッタのエルガー・チェロ協奏曲は、ダイナミックかつエレガントな演奏を再現し空気感を語れるレベル。

クルマの機能を損なうことのないカーオーディオで、乗って楽しいクルマを目指している石川県のサウンドクリエイト金沢は、スピーカーの存在を感じさせない音を目指したメルセデスCLAを展示。デジコア808iを核としたシステムは、フロントにD52N、リアはUNIT-N70N。サブウーファーはB80Nを2本。ユンディ・リのプロコフィエフ、弦のピチカートの後にピアノが現れるなど神秘的な雰囲気やオケのフロアを伝う重厚感を描ききり、オルガンは深く沈みヴォーカルは鮮明な像を結ぶ。

音の良いことは勿論、クルマの機能を損なわず使い勝手の良い取り付けを心がけている大阪府のSOUND21は、メルセデスのEクラスを展示。システムはフロントにPREFIX212F、リアトレイ純正部を中心にB80Nをインストール。ヘッド系はデジコア808iとし、エネルギー感を大切にし聴き手を愉しませる音創りを目指したという音調は、ブルックナー交響曲9番はトゥッティでも崩れること無く、弦楽器のピッツィカートも描き切り、シベリウスはフィンランドの豊かな自然を密度高く描き切る。

即日取り付けサービスに特化したクイックピット専業店で輸入車向けモデルを含むSonic PLUS全製品の取り付けに対応したソニックプラスセンター大阪は、Audi TTを展示。搭載システムは近日発売予定のアウディTT専用機。ソニックプラスの音の緻密さと情報量を極めたハイグレードモデルのようだ。緻密な表現力と情報量の高音質前後用スピーカーパッケージと思われ、大容量エンクロージュアを採用している感。「それでも生きていく」では辻井伸行とATSUSHIの世界を再現しきる。

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Mさん(東京都) Mercedes-Benz C class Coupe (C204)

ヴォーカルを中心に音楽を楽しんでいるのは、東京都からメルセデス・ベンツC250クーペで参加頂いたMさん。搭載システムはUNIT-N55NとUNIT-PX216Fでフロントを構築。リアトレイのサブウーファーはSD-N77Nを4本使用したUNIT-PX216W。プロセッサー・アンプのデジコア808iはラゲッジフロアに収まっている。自然に鳴るようにしたチューニングとスピーカーがお気に入りだ。ラン・ランのプロコフィエフ3番はダイナミックかつエレガントな演奏が聴け、森麻季のモテットは深くて優しい旋律で伸びやか。オルガンも深く軽快に沈む。

Hさん(三重県) TOYOTA MARK X

三重県から参加頂いたHさんのマークXには、トリプルクレスト(3C-P30L)を核としたシステムが搭載されている。J-POPを中心に音楽を楽しんでおり、トリプルクレストの中高域の音色が大好きと言う。トゥイーターのUNIT-N55NはAピラーに埋め込んでいる。サブウーファーはワンオフエンクロージュアにSD-100Nを4本搭載し情報量豊かな低音を確保。オルガンが深い響きで包み込む中、鮮明にフォーカスされた森麻季のソプラノの音像が浮かび上がり、立体的な空間を再現する感。

Aさん(大阪府) Mercedes-Benz C class STATION WAGON (S204)

ジャズやクラシックを楽しんでいる大阪府から参加頂いたAさんのメルセデスにはPREFI X212を核としたシステムが搭載されている。クラシック再生の音域に大満足とのこと。フロントは純正位置にPREFIX212が収まり、ラゲッジ両サイドにはB80Nがインストールされ見た目は純正然としている。デジコア808iでコントロールされたユンディ・リのプロコフィエフ・ピアノコンチェルトはユンディのカデンツやアルペジオを描き切り、慄然たる迫力のオケは重心の低くさや広がりが聴けた。

Fさん(石川県) MAZDA ROADSTER

狭い車室内を感じさせない鳴り方がお気に入りというのは、石川県からロードスターで参加頂いたFさん。搭載システムはフロント純正位置にD52N、両シートの後ろにB80Nをインストールしデジコア808iでコントロールするという王道とも言える構成。組んでから1年、エージングが進んだサウンドは音楽性豊か。森麻季のモーツアルトのモテット、オルガンの深く沈んだ低い音が鳴っても声のイメージがぶれることなく鮮明な像を結ぶ。

Tさん(石川県) TOYOTA WISH

ウィッシュに搭載した、大好きなヴォーカルが聴けるシステムに大満足と言う石川県から参加頂いたTさん。クルマの機能を壊さず使い勝手の良いインストールも自慢だという。搭載システムはフロント純正位置にD52N、SW-77Nサブウーファーは運転席下にセットされ繋がりの良い音調を実現。デジコア808iでコントロールされたソル・ガベッタのチェロは胴の鳴りも感じる。森恵の「やさしさで溢れるように」を聴くと、低音楽器にぶれること無くギターとヴォーカルが浮かび上がる。

Sさん(大阪府) Mercedes-Benz E class STATION WAGON (S211)

フュージョンやR&Bを楽しんでいる大阪府から参加頂いたSさんは、旧Nシリーズで4ウェイシステムを愛車のEクラスワゴンに搭載。SD-25N、UNIT 52N、UNIT 100Nでフロントを構築し、ラゲッジサイドにUNIT 130Nをインストール。デジコア808iでコントロールされた音調は、下の空気感が自慢と言うだけあり、繋がりの良いサウンドを実現。軽快で深く沈むオルガンに、ぶれること無く森麻季のソプラノが刺さることも無く伸び伸びと歌い、ソル・ガベッタのチェロは空気感をも描く。

Kさん(愛知県) TOYOTA ALPHARD

デジコア808iをセンターコンソール部に埋め込むなど使い勝手の良いシステムを構築したのは、愛知県からアルファードで参加頂いたKさん。搭載システムは、フロントはUNIT-PX212FとUNIT-N55N。両シート下にB80Nサブウーファーを設置し繋がりの良いサウンドを実現。ブルックナー交響曲9番、弦を指ではじくピッツィカートや迫力のトゥッティを描き切りラトルのドヤ顔が浮かぶ感。オルガンが深く沈みヴォーカルは刺さること無く伸び伸びと歌う。空気感を語れる感の出来映え。

Mさん(山梨県) SUBARU LEGACY OUTBACK

ジャズを中心に音楽を楽しんでいる山梨県から参加頂いたMさん。愛車のレガシィにはトリプルクレスト3C-P30-77Wを核としたシステムが搭載されている。フロントはP30-77WとUNIT-N55Nで構築。リアシート下には4本のサブウーファーB80Nを搭載。システムをコントロールするのはデジコア808i。ソル・ガベッタが奏でるエルガーのチェロは空気感を再現。ユンディ・リのプロコフィエフ・ピアノコンチェルトは、深い余韻をも再現しオケの地を這う様な低音も描き切る感。

Oさん(石川県) Mitsubishi LANCER EVOLUTION 7

クルマとしての機能を犠牲としない、ストックインストールを施したランサーEVO7で石川県から参加頂いたOさんは、フュージョンやR&Bが楽しく聴けるシステムと、純正然とした取り付けに満足気。フロントシステムはSYSTEM 77 Type N。ラゲッジ最後部にSW77N。デジコア808iは助手席下に収まっている。シベリウス交響曲3番を聴くと目の前にフィンランドの豊かな自然が広がるような再現を実現。森麻季ではオルガンの低い音が鳴っても、ソプラノはぶれることなく鮮明な像を結ぶ再現。

Nさん(石川県) NISSAN SERENA

以前から使っていたUNIT-N70Fとスピーカーケーブルを活かし、セレナにデジコア808iを搭載することで大好きな女性ヴォーカルが良い音で聴けることに満足気なのは石川県から参加頂いたNさん。SD-25Fとシート下に設置したサブウーファーのTBM-SW77を追加。次はUNIT-N70NとUNIT-N52Nが欲しいと計画中だ。森恵の「やさしさで溢れるように」を聴くと、大振る幅の低い音が鳴ってもヴォーカルとギターはぶれること無く鮮明な像を結ぶ。ガベッタのチェロは情報量の多い低音が聴けた。

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[ソニックデザイン・リスニングキャンプに参加して]

希に見る雰囲気のよさ!これぞ大人のためのカーオーディオイベント - オーディオ評論家 黛  健司

ソニックデザイン・リスニングキャンプも第4回目を迎え、サウンドクリニックにも『再診』の患者さんが訪れるようになった。

たとえば、前回のリスニングキャンプ・白山で音を聴かせていただいた某輸入車は、プレミアムライン『N』クラスのユニットを使用した4ウェイ・システムを、Digicore 808 i でマルチアンプ・ドライブする、ソニッ クデザイン最高峰のシステムを搭載していたが、サウンドは時代に取り残されたかのような古めかしいもので、オーナーには「このシステムのもつポテンシャルは、こんなものではないはずです。帯域ごとのエネルギーバランスや、サウンドステージの展開を含めて、徹底的に見直してみてはいかがですか?」と率直に申し上げた。

そのクルマのオーナーは、リスニングキャンプに参加するのも初めてのようで、ソニックデザイン最新の精華たるサウンドカーの数々も未体験だったようだ。私の叱咤激励に眼が覚めたのだろう、その後、ユニットは同じままで取り付けを見直し、チューニングを再調整し、今回、再度診察に訪れてくれた。オーナーにしてみれば「どうだ! 自分はここまで出来るんだぞ」と、再 挑戦の意気込みだったに違いない。

ホコリを被ったような古ぼけたサウンドは見事に蘇り、若々しい、躍動感に飛んだサウンドに生まれ変わり、私を安心させてくれた。思わず「これで、貴方も、最新ソニックデザイン・クラブのメンバーですね!」と激励したら、キョトンとした顔をされてしまった。

これは私見だが、ソニックデザインのプレミアムライン『N』クラスのユニット群は、D52NやB80N以降とそれ以前の製品では、設計思想が明らかに異なるように感じている。ダッシュボードやAピラー、ドアミラー裏などの高い位置に装着するのではなく、ドアに装着された純正スピーカー位置を利用しながらも、理想のサウンドステージ再現を可能にしたのがD52Nだし、驚異の低域再生能力を秘めているのがB80Nだと思う。これら『ソニックデザイン新世代』のユニットが聴かせてくれるサウンドは、従来のソニックデザインのそれとは明らかに異なるもので興味を惹く。

そんな『時代の息吹』を感じさせる、『新しい音』のクルマが続々と登場している。これからのカーオーディオサウンドの方向性を予見させる『カティング・エッジの音』を体験できるのも、リスニングキャンプならではの醍醐味だ。

まだ参加したことのないカーオーディオファイル諸兄よ、リスニングキャンプに来たれ!

第4回リスニングキャンプ開催概要

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