イベントフォトレポート

ソニックデザイン リスニングキャンプ8 イベントフォトレポート

厳しい残暑の中に、ほんの少しだけ秋の装いが忍び込むようになった。これから始まる秋の行楽シーズンを前にして、アレコレと計画を練ろう――。という間もなく、今年のリスニングキャンプがやってきていた。ソニックデザインユーザーにとってはすっかり恒例行事となった同イベントは、今年、ソニックデザインが東京モーターショーへ出展する関係から約1ヶ月ほど前倒しに。9月10日(日)に、例年通り女神湖の特設会場で「ソニックデザイン リスニングキャンプ8」が開催されたのだ。
名前の通り今回で8回目。しかし、過去にはリスニングキャンプ・ミニが2回ほど催されているので、イベントとしては10回を数えるようになった。初回から欠かさず来ているリピーターはもちろん、初参加の人もチラホラと見受けられ、イベントの成熟を感じさせる。当初から謳われていたのは「お客さんと販売店、そしてメーカー(ソニックデザイン)の相互を結びつけるコミュニケーションの場所」というもの。決して敷居の高いものではない。ソニックデザインユーザー云々に関わらず、肩肘張らず自然体で同じ趣味を持つ仲間同士で語り合ったり、互いのカーオーディオを聴き合える場である。

全国からソニックプラスセンターが集った。

会場にはソニックデザインのデモカーを筆頭に、全国各地の認定販売店のデモカー、そしてユーザーカーがずらりと並ぶ。全国的にソニックプラスセンターの普及が進むことを受けて、ソニックプラスセンターは9店舗が集っていた。「新しい仲間を歓迎したい」という意味を込めて「カーオーディオに興味のある方、これからカーオーディオ趣味を始めたい方も積極的に楽しんでほしい」とソニックデザインの代表 佐藤敬守はイベントの趣旨を述べる。決して固定層だけを集めるのではなく、わけ隔てなく誰もを歓迎する雰囲気が魅力だ。ソニックプラスセンターが増えたことで、システム的にも価格的にも敷居の低い製品が増えて、より誰もが楽しめる場となった。
各認定販売店が持ち込んだデモカーの詳細は下に記す。ソニックデザインとしては、今回、スバル用ソニックプラスのトップグレードモデル(SFR-S01F)を搭載したスバル・レヴォーグSTIスポーツと、そしてBMW用の新型ソニックプラス(SP-F30iシリーズ)をF30型3シリーズに組み合わせて展示していた。とりわけBMW用ソニックプラスは発売前の公開とあって来場者の注目が絶えなかった。

 

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リスニングキャンプの魅力 その1「走りと、いい音」両方を楽しめる。

会場となる女神湖駐車場 特設会場のロケーションは抜群だ。関東や中京、関西方面など主要都市のほぼ中間地点であり、ユーザーの多くが程よい距離をドライブしながら訪れることができる。女神湖自体が八ヶ岳中信高原指定公園に指定されるばかりか、会場近くは絶景が連続する信州エリアの観光名所でもある。今年は例年より1ヶ月早まったことが手伝い、昨年までとはまた違う景色を見られたのは、リピーターにとって嬉しい部分だった。 つまり「いい音と走る」と掲げられたリスニングキャンプにとって絶好の場所である。そうした影響があってか、近年はカーオーディオに限らず、広い意味で自動車趣味を満喫する人が増えたようだ。走りを楽しむ方向でマフラーや足まわりをカスタムしたり、ホイールを変えたり。逆にサーキット走行を前提としたチューニングカーに乗りながら、あらためてカーオーディオを楽しむようになった人もいる。あらゆる自動車趣味のクロスオーバー化が進行しているようだった。
そのひとつの象徴が、トヨタ86/スバルBRZの増加だろう。各認定販売店のデモカーやユーザーカー問わず、特にこれら2車種が増えていた。「走りを犠牲にしないでカーオーディオ趣味を満喫したい」という二律背反しがちな要素を、誰もが練りに練ったアイディアと技術を使って提案していたのが面白い。毎回のように専門誌で取り上げられていることもあり(XaCAR 86&BRZ magazine/交通タイムス刊)、86/BRZの増加はひとつのムーブメントと捉えて良さそうだ。特に気になるデモカーや、ユーザーのリアルな声は、後ほどいくつかご紹介したい。

リスニングキャンプの魅力 その2積極的に視聴できる理想的な環境。

「時間の許す限り、いろいろなクルマの音を聴いてください。他人の音を吸収することが、必ず自分のカーオーディオ構築に役立つ」と、リスニングキャンプでサウンドクリニックを担当するカーオーディオ評論家の黛 健司氏は、必ず冒頭の挨拶で述べる。このイベントの醍醐味は、ショップのデモカーやユーザーカーの音を気軽に試聴させてもらえること。普段、他人の音を聴くことなんて滅多にできない。せいぜい、仲の良い友人か、自分が作業を依頼したり相談に乗ってもらうショップのデモカー程度だろう。ところがこの場では、全国各地の認定販売店の音を聴けるし考え方も聞ける。また集うユーザーたちは皆フレンドリーで、声をかければ気軽に音を聴かせてくれる。ソニックデザイン製品を組み込んだ愛車と共にユーザー自身が音の使節(アンバサダー)となり、試聴プレゼンテーションをしていただく「ソニックアンバサダーによる愛車試聴会」がその象徴である。
もちろん「誰かの音を聴く経験」だけにとどまらず。「誰かに聴かせることで意見をもらう経験」もまた貴重なもの。黛氏によるサウンドクリニックが代表格で、真剣勝負でプロの意見を述べてくれる。それ以外であっても、ショップやユーザー同士で聴き比べたりといったことがしやすく、慣れてくれば各認定販売店の個性なども伝わってくるから面白い。

リスニングキャンプの魅力 その3自然の美しさ、人と人との交流も魅力。

参加者同士の交流が深くなって、今年は泊まりがけで楽しんだ参加者たち。初めて参加して未知なるハイエンドオーディオを聴き、感動に包まれていた人たち。誰もがなんらかの思い出をもって家路についた。強烈な晴れ男(女)がいるのだろうか、リスニングキャンプは必ずと言っていいほど晴天である。強烈な日差しではあったが、時折、高原ならではの涼風が注ぎ込んで、程よく過ごしやすい1日を過ごすことができた。帰りがけ、蓼科山の優美な山容とまだ緑の濃い木々を横目に見ながら、ソニックデザインの奏でる“いい音”に癒されて家路につく。
カーオーディオはデジタルチックで無機質、カーオーディオ趣味なんて孤独。そんなイメージを抱く人ほどリスニングキャンプへの参加をお勧めする。自然の美しさや、人と人との交流など逆にアナログの魅力を知ることができるから。それこそが「いい音と走る」このイベント最大の魅力である。

〈モータージャーナリスト 中三川大地〉

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[デモカー出展認定販売店]

  • ソニックプラスセンターいわき/ユーズダイナー四倉店(福島県)
  • ソニックプラスセンター大宮/オートブラスト(埼玉県)
  • ソニックプラスセンター銀座/ミストラル(東京都)
  • ソニックプラスセンター神奈川/荒井タイヤ商会(神奈川県)
  • ソニックプラスセンター山梨/クレアーレ(山梨県)
  • ソニックプラスセンター金沢/サウンドクリエイト金沢(石川県)
  • ソニックプラスセンター名古屋(愛知県)
  • ソニックプラスセンター京都(京都府)
  • ソニックプラスセンター大阪/サウンド21(大阪府)

ソニックプラスセンターいわき/ユーズダイナー四倉店(福島県)

[デモカー]Mercedes-Benz Cクラス ステーションワゴン

現行W205型Cクラスの普及を受けて、人気グレードであるC200ステーションワゴンのデモカーを持ち込んだのはソニックプラスセンターいわきだ。純正ナビと直結されるソニックプラス カスタム(SC-205M)の実力をアピールしつつ、スイッチひとつでプロセッサーアンプを通した音を聴き分けることができた。また外部入力の取れないCクラスに対してコーディングシステムを使っての接続方法も紹介した。現ソニックプラスユーザーにとって今後の発展性を示したかのような1台だ。

[デモカー]NISSAN SILVIA

スタッフの愛車だというS15シルビアは全身くまなくドリフト仕様だ。それでもキレキレの走りといい音との両立を目指した。現在はUNIT-N55GAにUNIT-N70R、コンパクトなサブウーファー(SW77R)を組み合わせて、ダイナミックな音を構築している。軽量化のために当初はリアシートを外していたが、音質向上のために付け直したという。現在の課題は、N55GAとN70Rそれぞれの個性を踏まえて統一感を図ること、そしてSW77Rの設置場所など。遮音性の低いチューニングカーながら現状でも完成度は高い。

ソニックプラスセンター大宮/オートブラスト(埼玉県)

[デモカー]TOYOTA PRIUS PHV

街にあふれる30系プリウスだからこそ個性化を。と車高を上げてモールを付けクロスオーバー風情になったプリウスPHV。システムの狙いはすべて小口径ユニットを用いて最高峰の仕様を作ること。トリプルクレスト(3C-P30L)のウーファーモジュールをミッドウーファーとして、トゥイーターはUNIT-N55Nを組み合わせ、さらにサブウーファーとしてB80Nを2基。これらをデジコア808iで駆動させる。物理的に小さなスピーカーだからこそ成せるハイスピードな音色を実現させた。

[デモカー]Audi allroad quattro

ソニックプラスセンター大宮を稼働させたオートブラストは、彼らが長らくデモカーとして愛用してきたアウディ オールロードクワトロを改めて展示した。多種多様の工夫が凝らされているデモカーだが、今回のキモとなるのはトゥイーターにUNIT-N55GA、ミッドウーファーには専用エンクロージュアを使ってSD-130GAを搭載したこと。低音域を伸ばしつつもナチュラルな音の仕上がりは、いつまで聴いていても疲れない。オールロードのようなグランツーリスモにはぴったりのサウンドに仕上がっていた。

ソニックプラスセンター銀座/ミストラル(東京都)

[デモカー]Carlsson CLS63 AMG シューティングブレーク

ソニックプラスセンター銀座としての活動で多種多様な車種を手がけているが、母体となるミストラルの真骨頂はハイエンドカーへのオーディオインストールだ。数千万円クラスの高級車は手馴れたもので、車内の世界観や素材を活かしつつ雰囲気に見合う音作りには定評がある。その個性を体現するかのようなCLS63 AMGシューティングブレークは、ソニックプラス(SP-218M)に加えオリジナルアルミバッフルを使ってサブウーファーを設置した。シンプルな構成ながらクリアなサウンドで臨場感を感じさせる。

ソニックプラスセンター神奈川/荒井タイヤ商会(神奈川県)

[デモカー]TOYOTA C-HR

デビュー以来好評な販売を続けるC-HRに対してソニックプラスセンター神奈川は、C-HR用ソニックプラスとしてスタンダードなSP-CHR10Eをフロントに、SP-P31REをリアに設置。楽ナビをヘッドユニットとしてそのポテンシャルを披露した。今後の拡張性を込めてサブウーファー(TBM-SW77)の提案も忘れない。「定位、音質ともに予算以上の音を気軽に味わって欲しい」という願いが込められた。もちろんクルマのチューニングを含めて相談できる荒井タイヤ商会の活動ゆえ今後の発展性には期待が持てる。

ソニックプラスセンター山梨/クレアーレ(山梨県)

[デモカー]TOYOTA 86

このトヨタ86はソニックデザインによるサウンドチューニングの教科書的存在だ。といっても86用ソニックプラスのリミテッドモデルであるSP-86Lにサブウーファー(TBM-SW77)を組み合わせただけのシンプルな構成である。86専用ならではの解像度の高い音質と、TBM-SW77らしいレスポンスのいい低域再生能力との組み合わせが気持ちいい。86に関しては前後期含めてあらゆる仕様を試したソニックプラスセンター山梨のひとつの回答だ。ユーザー側の予算や聴く音楽に合わせて様々な提案をしてくれるのも彼らのウリだ。

[デモカー]SUBARU LEVORG

レヴォーグ用ソニックプラスのハイグレードモデルであるSFR-S01Mは、低域の量感に優れクリアで厚みのある音が好評だ。ソニックプラスセンター山梨はその潜在能力をあらためてアピールしつつ、その上でさらなる発展例としてサブウーファー(TBM-SW77)を組み合わせた。安定感のある重低音に加え中低域の厚みも増す優れたパッケージだ。費用対効果も抜群のこのパッケージは、既存のソニックプラスユーザーにとってのいい見本だったようで、レヴォーグに限らずスバル車ユーザーの試聴が相次いでいた。

ソニックプラスセンター金沢/サウンドクリエイト金沢(石川県)

[デモカー]TOYOTA 86 KOUKI

この86KOUKIは86/BRZの大きなセールスポイントである“走り”を損なうことのない仕上げが特徴である。フロントドアスピーカーにUNIT-N70Rを、トゥイーター部分にUNIT-N55GAを搭載。さらにリアにはソニックプラスセンター豊田のオリジナルバッフルを使ってスバル・レヴォーグ用ソニックプラス(SR-S01F)を流用し、これをサブウーファーとして機能させている。純正の機能を損なわず重量増も最小限に抑えたものの、それを感じさせないほどのクリアな音色とそして迫力の重低音を奏でる。

[デモカー]SUBARU IMPREZA SPORT

デビュー間もない新型インプレッサを持ち込んだのはソニックプラスセンター金沢だ。新型インプレッサユーザーの8割以上がディーラーオプション扱いのパナソニック製8インチビルトインナビを装着していることに注目。ならばそれを活かす格好で、スピーカーだけをソニックプラス(SF-S04M、SR-S04M)へと変更するアプローチを提案した。幅広い層へ訴えかけるその音色は素直で、いかなるジャンルの音楽もすっきりとしたクリアなサウンドで表現される。オーディオ初心者に対して、最初の一歩にお勧めだ。

ソニックプラスセンター名古屋(愛知県)

[デモカー]TOYOTA ALPHARD

ソニックプラスセンター名古屋からやってきたのは30系アルファードだ。広大なリアスペースを大胆にも2人掛けとしたファーストクラス級のインテリアが見もので、そこにはメルセデス・ベンツSクラス用のソニックプラス ザ クレスト(2C-222)にサブウーファー(SW-77R)を投入。さらに前席とのパーテーションには広大なモニターも設置されるという超極上のリスニングルームだ。前席にアルファード用ソニックプラス(SP-A30M)を搭載することでドライバーズカーとしての魅力も訴えていた。

ソニックプラスセンター京都(京都府)

[デモカー]TOYOTA 86 KOUKI

トヨタ86KOUKIを提案したのはソニックプラスセンター京都だ。ドア部分に86用ソニックプラスであるSP-868Mを投入し、リアスピーカーにはスバル・レヴォーグ用ソニックプラス(SR-S01F)を流用する4スピーカー構成とした。リアは同グループであるソニックプラスセンター豊田が開発したオリジナルバッフルが活かされた。プロセッサー等は使わず純正ナビを使ってあくまでシンプルかつ低価格で仕上げたという。車内のスペースもまったく犠牲にはならず、復元も可能。この敷居の低さには注目が集まった。

ソニックプラスセンター大阪/サウンド21(大阪府)

[デモカー]Mercedes-Benz Cクラス

老舗サウンド21が展開するソニックプラスセンター大阪は、売れ筋のW205型Cクラスの開発に余念がない。現行メルセデス勢に特化させた52mmユニットのエンクロージュアモデルを最大限に引き出そうと、ソニックプラス カスタム(SC-205M)での一本勝負だ。高い解像度ながら、独りよがりにならず、あくまで聴きやすさを重視した。ここから純正サブウーファーどどう向き合うか、または交換するかによって発展性にも期待できる。この秀でた音質を前に、W204型から乗り換える人が増えそうだ。

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[ソニックアンバサダーによる愛車試聴会]第8期ソニックアンバサダー

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Special Column いい音と走る!〈86&BRZ編〉

[いい音と走る!Part1]走りを追求する男のカーオーディオ構築 Oさん×サウンド21 SUBARU BRZ tS

色鮮やかなスバルブルーに包まれたBRZ tSに乗るのは根っからスバリストと自負するOさんだ。前の愛車だったフォレスター時代からジムカーナで走っていた。「ある日、友人に“お前の走りはハイパワー4WDに頼りきっている”と言われまして。悔しいからFRで腕を磨こう」と決意した凝り性のOさん、繊細な操作を求められる氷上ジムカーナなどで鍛錬の日々を送る。また、ホームオーディオが趣味でもあったため、“いい音”をクルマでも奏でたいとサウンド21の門を叩いた。「家とクルマでは音環境構築の考え方がまったく違う。そこに気づかされました」と言う。ホームオーディオはアンプやスピーカーなど機材を選んだら、後はケーブル類を工夫しながらの空間構築がキモだと思っていた。しかし、絶対的スペースが限られる車内ではそうはいかない。「DSPとかで自分が欲しい音を作っていくんだって教わって。そこからは革新的にいい音を奏でるようになりました」という現在の仕様は、UNIT-N55NとUNIT-N70Nに加えて、サブウーファーとしてB80Nを投入。デジコア808iをソースユニットとしたハイエンド仕上げだ。女性ボーカルを聴くことが多いというOさんだけに「高音がすうっと上まで伸びていき、低音はトンととまるような。それでいて中間域も犠牲にしない」音を実現できたとか。ちなみに前後重量配分がちょうど50:50付近になるようにインストールした。さすが、走りには一過言あるスバリストの音構築である。

[いい音と走る!Part2]オトナの86を目指して徹底的に音を煮詰めた Tさん×荒井タイヤ商会 TOYOTA 86

「86は若者向けみたいに言われることが多い。でも僕が目指したのは、大人に似合う上質なグランツーリスモなんです」と、開口一番。荒井タイヤ商会がプロデュースした86に乗るTさんだ。趣味のセカンドカーとして86を手に入れたTさんが、偶然知ったソニックデザインのスピーカーを付けようと、荒井タイヤ商会の門を叩いたときから物語が一変した。「よりよいスピーカーに換えれば音が良くなる程度の認識が見事にぶっ飛びました。“音を調整する”という奥深い世界があることを知りました」と、当時の感動を振り返る。同社のデモカーが奏でる音に魅了され、代表荒井さんの考え方に共感したTさんは、その後カーオーディオ追求への道をひた走るように。「最初は純正ナビにソニックプラスのスタンダード。でも、だんだんと欲が出てきて、今ではプロセッサアンプに換えてSP-868Mを鳴らしてって感じで進化させています」と笑う。同時に、大人のグランツーリスモ化計画としてBC FORGEDの19インチ鍛造ホイールを入れて、そこに一致させた大型ブレーキシステム(AP Racing)をインストール。見えない部分ではボディ剛性を高めるリジカラやボディダンパーなどを取り付けた。「今はワンオフマフラーに興味がありますね。だけど排気音が変われば、また走っている際に鳴らす音のチューニングを変更しなければ」と、走る際に発生するロードノイズや排気音までを加味して音作りをするのが彼らのコダワリである。

[いい音と走る!Part3]走りと、いい音。二律背反をどう両立させるか。 廣瀬さん(ソニックプラスセンター京都)トヨタ 86 KOUKI

「86のステアリングを握るとめちゃくちゃ楽しい。だからこそ、この運動性能は絶対に犠牲にしたくなかった」とソニックプラスセンター名古屋、豊田、京都を展開する宇佐美 浩二さんは言う。86専用のソニックプラスは続々と発売されたものの「運動性能を犠牲にしないまま、さらにステップアップを」と考えたときに注目したのがリアスピーカーだった。エンクロージュアの容積がたっぷり取れるうえに空間的に現実味のあるスバル・レヴォーグ用のソニックプラス(SR-S01F)に目をつけ、オリジナルバッフルを開発してインストールしたのは豊田店のアイディアだ。フロントは86のソニックプラスであるSP-868Mとして、立派な4スピーカーモデルを実現させた。ソニックプラスセンター京都の店長 廣瀬正和さんは「メーカーがタイヤを4本積めると胸を張ったトランクスペース、軽量性能にこだわった車体設計などを考えると、むやみやたらとトランクを潰したり、重々しいデッドニングなんてしたくない。だからこそこのパッケージがベストだと思います。特にリアスピーカーはとても大事。前席の中低域を補う意味があるので、充実感が増しました。それに、純正のねじ穴を使ってインストールしているので純正状態への復元も可能です」と述べる。走りとオーディオ趣味の両立。突き詰めると二律背反するこれらの要求を巧みに両立させた、彼らの功績はとても大きいと思う。

[いい音と走る!Part4]ユニークな製作方法は家庭円満の秘訣か!? 福田さん(ソニックプラスセンター金沢)トヨタ 86 KOUKI

ソニックプラスセンター金沢のデモカーは従業員の愛車だった。フロントドアスピーカーにUNIT-N70Rを、トゥイーター部分にUNIT-N55GAを搭載。リアにスバル・レヴォーグ用ソニックプラス(SR-S01F)を持ってきた。リアをサブウーファーとして機能させるなど音作りのノウハウは数限りない。走りを犠牲にしない音環境構築もさることながら、この個体はユニークな製作方法が採られた。「ウチの従業員の子供たち、中学生と高校生なんですけど、せっかくだから自分たちで取り付けてみればって言ったんです。正味3日間かかって、どうにか完成させたようです」と、同店代表の福田勇生さんは言う。従業員の乗るデモカーだからこその家族総出のDIYは、評判が上々だったようで「来年は夏休みの自由研究みたいに一般から公募しようか」とひそかに考えている。「子どもたちが自分たちで作業して、好きな音楽を聴いてインストール前後での音の違いまで確かめることができる。そういうのって家族での共通の話題としても重要だと思う」というのが理由だ。それはソニックデザインじゃなきゃ実現できないことだとも言う。「ドア全体にデッドニングするとか、ボディ側への加工を前提とした取り付けとか、子供たちはおろか大人でも敷居が高すぎる。ボルトオンで取り付けできるソニックプラスだからこそできること」らしい。突き詰めれば奥は深いもののソニックデザインの持つ装着の容易さが、家族の距離をぐっと近づけた。

[いい音と走る!Part2]偶然に偶然が重なって今やマスコットカーに 窪田さん(ソニックプラスセンター山梨)トヨタ 86

「実は最初、うちの嫁が欲しいって言い出したセカンドカーだったんです」と笑うのはクレアーレの代表にしてソニックプラスセンター山梨を展開する窪田英樹さんだ。そんなプライベート感あふれるのに、気がつけば今じゃソニックプラスのマスコット「プラスくん」が貼られた立派なデモカーとなっている。いくつもの偶然が重なってこの1台は生まれた。冒頭の奥サマの動機がまずひとつ。さらにその当時、ソニックデザインが86用ソニックプラスのリリース直後であったこと。また、サウンドアスロンで現役レーシングドライバーの荒 聖治さんが乗りこなす86にも惹かれたこと。「オーディオを追求するかたわら、スポーツカーの楽しさにも惹かれていたのかもしれません」と振り返る。この日はソニックプラス(SP-86L)にサブウーファー(TBM-SW77)の組み合わせだったが、出向くイベントごとに仕様を変えたり、あの手この手で86の音を追求してきたという。と、同時に荒さんのアドバイスを聞き入れたセッティングのHKS製車高調が装着されている。「オーディオに関しては僕が荒さんにチューニングさせていただき、逆に足まわりなんかはいろいろ教えてもらっています」と、すっかり相互補完体制のようだ。こういう楽しみ方ができるのも86ならでは。まさに「いい音と走ってきた」ようなソニックデザインのコンセプトが体現された1台。これからもたくさんの86乗りに、その魅力を訴えていく。

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サウンドクリニック 〜リスニングキャンプ総評〜]

「いろいろなクルマの音を聴いてください」と、僕は事あるたびに言い続けてきました。カーオーディオの世界って楽器の演奏と似ているところがあって、究極を求めるのなら才能の領域が必要なのかもしれません。しかし、ある一定のレベルまでは“努力”によって誰でも到達するんだと思っています。そして、1台でもたくさんの音を聴いた“経験値”こそが努力です。いい音には「主観的にいい音」と「客観的にいい音」の2種類があります。各々の環境下で好きな音楽を聴く際に自分が気に入っている音が「主観的にいい音」。極論を言えばオーナーが満足していればいいわけです。対して「客観的にいい音」は、誰が聴いてもいいと思える音。この「客観的にいい音」を知ることによって「主観的にいい音」をさらに磨くことができる。そのためにも、あらゆるクルマの音を聴いたという経験値が必要です。ひとつアドバイスするとしたら、まずは「ソニックデザインのスタンダードな音」を知ってください。そのうえでショップやユーザーカーを聴く。それぞれの個性が見えてくるはずです。次第に「自分が求めている音(主観的にいい音)がどういうものなのか」を見出せるようになるでしょう。そうした努力を続けるにあたってリスニングキャンプは格好の場です。ぜひ次回もご一緒に楽しみながら、どんどん経験を積んでいきましょう。

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